FESフラワーエッセンスの日本総代理店代表であり啓蒙家である
鵜飼(河村)三十世さんに追悼の意を表して



ペンステモンの特性:肉体の試練に打ち勝つ強い精神

鵜飼(河村)三十世さんが2018年6月19日にこの世を去られました。

三十世さんは20年以上の歳月に渡り、FESの活動を日本において展開してきました。FESフラワーエッセンスの総代理店としてだけでなく、フラワーエッセンス療法の第一人者として、魂と霊性の次元において深く理解し、フラワーエッセンス療法の普及に努められました。

ここ数年は、度重なる癌の再発に向き合いながらも、精力的に仕事に取り組んでいらっしゃいました。体調の優れない日が多かったにもかかわらず、人生の使命を全うすべく強固な精神力で、驚くほど多くの仕事を成し遂げました。

彼女の肉体は、何年も前にすでに限界を迎えていましたが、それを超えて仕事を続けられたのは、ひとえに彼女の意志の強さとフラワーエッセンスへのひたむきな情熱によるものでした。しかしながら、彼女の肉体が、その精神を支えきれない日がついに来てしまいました。三十世さんを偲ぶとき、私たちはバッチ博士の生涯を追想します。バッチ博士は、霊的な使命感に支えられ、癌の発病以降19年間もの長きにわたって活動を続けられました。お二人の姿が重なります。

三十世さんは、その人生の中で、フラワーエッセンスの本質を個人的な体験として、深く知り得た方でした。彼女にとってフラワーエッセンスの定義は、座学に留まるものではなく、常に実践を伴うものであったのです。2002年に行われたフラワーエッセンスのキャラクター研究(FESプラクティショナー認定要項の一つ)において、彼女はエリザベス・キューブラー・ロス(「死ぬ瞬間」の筆者)を題材とした、ペンステモンの特性を取り上げています。今思うに、その洞察は、これから彼女に起こることを予知していたかのようでした。

彼女はこう書いています。 「1998年にシエラ・ネバダを訪れた際、山頂でペンステモンの花を見つけました。花は荒涼とした岩場に咲いており、山を吹き下ろす風に吹かれて毅然と佇んでいました。ペンステモンは、私達が過酷な状況に置かれた時に、神の御心や高い精神性に従ってどのように行動すべきかを示しています。私達には、困難を乗り越える力が与えられているのです。私は、ペンステモンのフラワーエッセンスがもたらす意味を深く理解し実践して、その不屈の精神を手に入れたいのです。」

三十世さんは、まさに彼女自身の生と死をもって、ペンステモンの学びを修了したと言えるでしょう。

〈日本での思い出〉

私達にとっての最も大切な思い出の一つは、2004年に日本を訪れた際のものです。 三十世さんとパートナーの高司さんから、この旅の間、素晴らしいおもてなしを受けました。都内と富士山麓の避暑地で講座を開催した以外にも、日本文化の紹介と興味深い場所への案内をしていただきました。東京で本格的な和食を頂いたり、由緒ある神社を訪れたり、富士山麓の薬草の専門家にお会いしたり、古都鎌倉の仏像を見て回ったり。すべて懐かしくも素敵な思い出です。

〈FESフワラーエッセンスへの情熱と献身〉

三十世さんは1997年に、日本でFESのエッセンスの販売を開始しました。 その頃の日本では、フラワーエッセンスについてほとんど知られていませんでした。 彼女はその翌年、カリフォルニア州ネバダシティのFES本部のあるテラフローラで、フラワーエッセンス協会のプラクティショナー養成講座を受講しました。そこで、FESの教えに深い感銘を受けるとともに、テラフローラの庭園やシエラネバダ原生花園の花々に出会っています。

フラワーエッセンス普及協会(AFEE-J)は、教育活動を通じてフラワーエッセンスを紹介していく組織として設立されました。数多くの入門講座を開催することで、FESに対する人々の関心をかきたてました。2000年には日本から26名の生徒を連れて、通訳と共にカリフォルニア州レイクタホのグランリバッケン会議センターで開催されたFESフラワーエッセンス講座に参加しました。ツアーの企画や付随する諸作業、さまざまな手配などすべてに、彼女の細やかな心配りが感じられました。

その後もFESの講座を受講する日本人の生徒を連れて、三十世さんは何度もカリフォルニアを訪れました。2002年にグランリバッケンで開催された英語のプラクティショナー養成講座に日本から参加した方もいました。そして2004年には、私たちも日本で講座を開催する運びとなりました。その後、2007年、2010年、2013年、2016年と3年毎に日本語通訳付きのプラクティショナー養成講座がテラフローラにて開催されました。山道のハイキングは気楽に楽しめるものではありませんが、三十世さんはテラフローラを訪れるたびに、シエラネバダの山に自生する野花を見て回りました。

この期間、三十世さんは、フラワーエッセンスの教育者/啓蒙者としても成長を遂げました。2002年には自身が、FESプラクティショナーとして認定を受けています。数年後には、FESプラクティショナー養成講座を修了した日本の生徒達のために、認定に向けて事例研究を行う際の指導や内容の評価を行うようになりました。

今年の6月にも、新たな顔ぶれと共にテラフローラを訪れ、花々に親しむのを楽しみにしていました。しかしながら、講座を予定していたちょうどその時期に、三十世さんはテラフローラではなく霊界に旅立ちました。

〈日本のニーズにマッチしたFESフラワーエッセンスの提供〉

三十世さんの使命の一つに、フラワーエッセンスがストレスの多い日本の生活にいかに役立つかを知ってもらうということがありました。原爆に苦しんできた日本の歴史、また東京をはじめとした大都市に生活する人々が抱える極度のストレスに対して、ヤロー・エンバイロメンタル・ソリューション(YES)は、かけがえのないものです。YESに関しては、日本人にとってより分かりやすい日本向けラベルを作るべきだと提案もしてくれました。

2011年、日本が東日本大震災による地震と津波、福島の核災害に見舞われた時、YESはマジェンダマントルをはじめとした他のエッセンスやフォーミュラとともに救済活動において活躍しました。三十世さんはたゆまぬ努力でプラクティショナーの人たちのネットワークを組織化し、救済活動を体系化していったのです。

〈深遠で洞察力に富むフラワーエッセンスの研究者〉

最新のエッセンスに対しても、三十世さんはご自身の実体験にもとづく貴重な洞察を提供してくれました。 「 」内は、三十世さんのコメントです。

スプレンディッド・マリポサリリー:静謐と愛
「私はこのレメディが大好きです。最初にこのレメディを使用した時、自分のオーラが宇宙全体に広がるのを感じました。自分の存在は、宇宙と一体だということがよく理解できました。スプレンディッド・マリポサリリーのエネルギーの中に、とても静かで穏やかで安定した空気を感じました。そこには深い静けさと愛があります。」

グリーン・ニコティアナ:ハートの再生
彼女にとってグリーン・ニコティアナは、ハートのフィーリングを開き、心拍数の早さに対応する大切なエッセンスでした。特にテラフローラから東京に戻った時には、このエッセンスが自然界の活力との繋がりを保たせてくれることに気がつきました。

レモン:拡大と収縮を紡ぐ
彼女は霊的な意識を広げることが楽にできる人でした。レモンのエッセンスは、拡大した意識の世界と、東京で会社を経営するにあたり、高い集中力が必要とされる世界を行き来するのに役立ちました。

デザート・リリー:都会という砂漠で美しさを放つ
東京での仕事においては、自然界の生命力との繋がりが感じられずに彼女が疲労している時、この砂漠の野草が語りかけてきました。「瞑想の中で、デザート・リリーから次のようなメッセージを受け取りました。あなたにとって、東京に住み仕事をすることが、どれほど大変なことか理解しなくてはなりません。東京は砂漠のような場所です。だからと言って、田舎に住むべきではありません。都会で働くことはあなたの使命です。あなたのハートから放たれる美しさと創造性が、同じ都会に住む人々のヒーリングに貢献するように、都会に住み続けられるように、私たちがお手伝いします。あなたをサポートしています。」

ジョシュア・ツリー:スピリットの大地にヒーリングを届ける
彼女は19世紀に生きたある女性に深い霊的な繋がりを感じ、その人のお墓を詣でたことがあります。しかし、その場で気分が悪くなり、瞑想に入りました。すると、この苦しさはこの女性と彼女を取り巻く武士の世界の魂の苦悩であるということに気がついたのです。彼女は苦しんでいる魂に対して、ジョシュア・ツリーの思いを送り、仏教の供養を行いました。「私は真言宗のお経を唱えました。魂を癒し高次の次元へと導く、特別な詠唱です。すると菩薩が現れ、明るい光でいくつもの魂を上の世界へと導きました。彼らは光の世界に上がっていきました。とても明るい光が私のところに戻ってきて、私を包み込みました。この光は感謝の念だということがわかりました。法要の後、私の体は調子を取り戻しました。癒しを維持し、ヒーリング体験を完了させるために、ジョシュア・ツリーを使用しました。」

〈花々を通じて今も語りかけてくる魂〉

花の特性を通して天界という純粋な精神世界から、今も三十世さんがフラワーエッセンス療法を続けているのを私達は感じています。フラワーエッセンス療法による癒しを広めることを己の使命とし、その身を捧げた三十世さん。彼女と知己を得たことに心から感謝しています。たとえこの世で三十世さんの姿を見ることは叶わないとしても、彼女の魂の声は精神世界から今も絶えず私達に語りかけています。

まるでこの松尾芭蕉の句のように・・・

鐘消えて花の香は撞く夕哉
The temple bells stops but I still hear the sound coming out of the flowers.

(鐘の余韻が闇の中に消えてゆく春の夕暮、心なしか花は匂い(音)を濃くする。
あの鐘に鐘き出されたかのように。)


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