ホーリー、王冠を抱く
 ホーリーは、バッチ博士が言う「大いなる内なる自己」を発達させながら愛を受け入れ表現するハートの器を刺激します。多分、もっとも深遠なるホーリーのアーキタイプの絵は「とげの冠」としてのシンボルを通して呼び起こされることでしょう。伝統的なクリスマス聖歌は宣言します。「森にあるすべての木々は、ホーリーの王冠をのせる」。
 ドルイド教の神官は冬に聖なる宿り木の薬草を集めている間、ホーリーを頭にかぶります。ホーリーはまた季節の祭りにおいて、王様の象徴として王冠のように頭にのせます。ホーリーの王冠は、自然の力を魂に調和することをマスターした先達に対する最も深い尊敬の印(しるし)でした。

 ローマの文化では、冬のサトウルヌスの祭りの時に使われた痕跡があるくらいで、既にこれはかなり退廃してしまった知識でした。ローマの宮廷はイエスキリストの霊的なパワーを恐れると同時にあざ笑ったり軽視したのです。


   それから、いばらで冠を編み、頭にかぶらせ、右手に葦を持たせた。
   そして、彼らはイエスの前にひざまずいて、からかって言った。ユダヤ人の王様。ばんざい。
   〜マタイ 27:29.7


 このいばらの冠をのせられたキリストのアーキタイプは、私たちの存在の深みをかき立てることができます。というのは、もっとも完全な神聖の愛をハートに抱いていたのは、キリストでした。そして、それは同時にもっとも完全な人間の愛でもあります。キリストの力はクリスマスの深夜、地球の深みで生まれ、人間のハートの愛の本質として地上に輝き出ずるのです。

   あなたがたに新しい戒めを与えましょう。あなたがたは互いに愛し合いなさい。
   わたしがあなたがたを愛したように、そのように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。
   〜ヨハネ13:34.10


 キリストがいばらの王冠と王者のローブをまとって現れるのは皮肉でもなんでもありません。

   それでイエスは、いばらの冠と紫色の着物を着けて、出てこられた。
   するとピラトは彼に「さあ、この人です。」と言った。
   〜ヨハネ19:5.7


 ピラトはその王を見よ・・・とは言わず、その人を見よという。ピラトによって無意識に発せられたこのことばはもっとも深い真実なのでした。その王者の冠は、クラウンチャクラを活性化させることで人をより高い状態へと高揚させます。しかし、いばらの王冠はキリストのあり方に逆の方法で働きかけます。頭から血が流され、人間のハートに高い霊性の本質をもたらすのです。キリストの中で聖なるものが人間になり、王者は人になります。彼は人の子(Son of Man)と呼ばれます。というのは、キリストはハートの中の愛の力を通して、人間になるすべてのものを生み出す人だからです。

 ホーリーの木はキリストのいばらとして、中央ヨーロッパでは知られるようになりました。というのは、この植物は魂のイニシエーションとして、いばらの王冠のアーキタイプの実在に語りかけると理解されていました。バッチ博士はホーリーを必要とする人を特徴づけて、「彼ら自身の内側で、不幸であるという原因が見当たらないときでも非常にしばしば苦しむのです。」この実存の愛されていないという感情の痛みは、嫉妬、羨望、敵意や怒りなどを導き出します。緑の騎士のように、そしてガウェインのように、いばらの冠はまた、意識が変容するために「首を切ること」の一種なのです。にせの子がハートの中にある深い真実を見つけるまでは、そのにせ物の自己の上にいばらの王冠が強くのしかかることになります。「戦いの振り立てる槍」は外側をつき刺さず、人間の内側をつき刺します。ホーリーは私たちに、ハートの内側に愛が備わっていなければ、外側に愛を見ることはできないと教えます。ホーリーは人間の内側から聖なるものを創造します。ホーリーは人間のハートに、それ自身が全体であり、それ自身がホーリーつまり神聖なのだと知らねばならないと教えています。




アファーメーション

多くのセラピストたちが、フラワーエッセンスを有効に用いる手段として、アファーメーションを勧めています。エッセンスをとるたび毎にアファーメーションを唱えることによって、その花が伝える意味を再確認し、花の癒しのエネルギーが魂の奥深くまで染みわたるのを感じることができます。
おそらくフラワーエッセンスの中でも最も基本的で、普遍的に必要とされるエッセンスでしょう。それは、自己との統一感を取り戻し、神聖なる愛を教えてくれるホーリーです。

― Holly ―

  I open my heart.
  I express the love I feel, and
  receive the love of others.
  I feel my Unity with all Life
  admist a Universe of Abundance.


     by Patricia Kaminski and Richard Katz

  私はこころを開く
  愛を表現し、他の人からの愛を受けとる
  私は宇宙の豊かさの中で
  全ての生命と一つになる


         *日本語 by 美伽



ホーリーのフラワーエッセンス

 魂がその成長過程において何よりもまして求めることは、真実の愛を経験することです。これは魂にとって最も基本的なレッスンであり、同時に最も難しいことでもあります。ホーリーは、魂が統一感と全体性を感じる能力を回復させることから、広範囲の処方に使用される基本のレメディです。人は自分が他人から切り離されていると感じるとき、物事に喜びも情熱的な興味も抱かなくなってしまいます。そのかわり、孤立感が嫉妬、羨望、疑い、怒りなどの否定的な感情に取って代わります。愛は全てに余すところなく神聖に与えられている無限の源である、と魂は認識することなく、あたかも制限されたものであるかのように感じ、愛の端切れを掴み取ろうとします。ホーリーのエッセンスは、ハートを慈しみ、狭く制限された「自己」の認識から、他者と一つであるという拡大された「自己」の安定した感覚へとシフトするよう助けます。このようにして人は、魂の内に神の愛がしみ渡り、全体性と"Holiness"(神聖であること)を体験します。この神聖な一体感の感覚が、ホーリーのフラワーエッセンスが教えるまさに特別な贈り物です。


*資料提供:Flower Essence Society



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